ホラーミステリードラマ「 探偵・由利麟太郎 」感想レビュー

ドラマ「探偵・由利麟太郎」感想レビューのアイキャッチ ドラマ

今回は、横溝正史原作を下敷きにした吉川晃司さん主演のホラーミステリドラマ「 探偵・由利麟太郎 」を久しぶりに視聴しておもしろかったので、感想レビューしていきます。

吉川晃司さんの地上波連続ドラマの初主演ということで、本放送を視聴した人も多かったと思います。

筆者も「 令和に横溝正史のドラマが見られる! 」と予約録画して見ていました。

2020年の放送ということで、もう五年も経つのですが。

今視聴してももちろん古い感じもせず、むしろあらたな気づきがありました。

時間が経つと吉川晃司さん演じる由利麟太郎のカッコ良さを再認識できるので、ぜひ再視聴をしてみてはいかがでしょう。

もちろん、初見の方にもすんなりと入っていけるドラマです。

犯人などの重要なネタバレはせず、みどころや気になったポイントなどを紹介していきます。

よかったら、見ていってください。

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由利麟太郎(ゆり りんたろう)とは

金田一耕助が有名な横溝正史ですが。

もう一人、「 由利麟太郎(ゆり りんたろう)」という名探偵が登場する作品があります。

「 警視庁捜査課の元課長 」で「 外見は40〜50歳の顔つきなのに頭だけ真っ白 」という、変わった探偵です。

原作の時代設定は戦前の昭和ですが、ドラマでは令和に置き換えるなどの変更が行われています。

昭和の探偵のイメージ

といっても、原作を知らなくてもまったく問題ありません。

だいたいのことは、親切にドラマの中で説明してくれていますから。

吉川晃司がカッコイイドラマ

連続ドラマ「 探偵・由利麟太郎 」は

横溝正史・原作の「由利麟太郎シリーズ」( 角川文庫 刊、柏書房 刊 )を下敷きにしたもので。

カンテレ制作のフジテレビ系で、火曜日21時に放送されていた連続ドラマです。

本放送は2020年6月16日~7月14日放送。

1話完結なので見やすいです。( 四話・五話だけ続きものです )

じつは本放送のときは、ちょっと言葉は悪いけど安っぽさが感じられるセット( 実験室etc )と、俳優さんが過剰な演技だな…とか、思っちゃってました。すみません。

ですが、見るタイミングが変われば感じ方も変わるもので。

ほぼ5年の時を経ての視聴は、とてもおもしろかったのです。

このチープ感が却って味になっているんです。

1話なんて、ちょっと泣けましたもん。

( 歳を重ねると、ちょっとしたことで泣けるのでお得です )

ロングコートの紳士のイメージ

断言してしまいますが、この「探偵・由利麟太郎」は吉川晃司さんをみるドラマです。

ロングコートに白髪の寡黙な紳士の吉川晃司さんのカッコイイ姿を、存分に堪能できて。

古典的なホラーミステリまで、味わえてしまうというお得なドラマであるのです。

主な登場人物

  • 由利ゆり 麟太郎りんたろう:【 演・吉川 晃司
    • 犯罪心理学者。元・警視庁捜査一課長の経歴を持つ。先端恐怖症なのに弓道の心得がある。白髪の紳士
  • 三津木みつぎ 俊助しゅんすけ:【 演・志尊 淳
    • ミステリー小説家志望の青年。由利「先生」を尊敬し、犯罪事件に対する観察や思考の流れを助手として勉強しようとしている
  • 等々力 警部とどろきけいぶ:【 演・田辺 誠一
    • 京都府警の警部。由利とは大学時代を共に過ごした旧友。モサモサの頭

この3人を覚えておけばオッケーです。

あとは、由利先生が部屋を借りてる骨董店の店主で波田聡美(はだ さとみ)さんという女性がいますが。

由利先生が好きで、かまってもらいたくてウロチョロしてるだけで事件には関係ありません。

演じてる、どんぐりさんの京都弁と恋する乙女の仕草がカワイイです。

第一話「 花髑髏( はなどくろ ) 」

(あらすじ)

三津木俊助が運営する由利麟太郎の活躍の記録を配信するWEBサイト「由利麟太郎の事件簿」に、事件を予告する挑戦状メールが送られてくる。

「 花髑髏 」と名乗る人物の指定した場所へ向かうと、そこは廃棄物処理工場だった。

すると、やってきたトラックに運ばれてきた冷凍庫から血が滴っているのに気がつく由利麟太郎。

中を開けると入っていたのは、ナイフに貫かれた女性の姿だった。

花髑髏のイメージ

よかったポイント

ゲスト俳優さんは

  • 日下瑠璃子( イラストレーター・瑛造の養女 )ー新川優愛
  • 日下瑛造( 遺伝子研究者 ) – 中村育二
  • 湯浅建彦( 瑛造の共同研究者 ) – 佐戸井けん太

瑠璃子さんのお父様( 日下瑛造 )役の中村育二さんは、刑事ものにもよく出演されていて。

よくこんな悪い表情できるな〜と関心しましたし。( 褒めてます )

昭和なミステリ感を醸し出してくれているので「 横溝正史といえば、これこれ! 」といった設定をうまく演じてくれてます。

変なたとえですが、「 令和に見る横溝正史 」に安心感を与えてくれました。

個人的には足の悪い科学者、湯浅役の佐戸井けん太さんが、激アツでした。

白衣も杖も似合いすぎる!

出番はそんなにないですが、重要な証言をします。

第二話「 憑かれた女 」

(あらすじ)

祇園の会員制クラブでホステスとして働く吉岡エマは、女優志望。

ちかごろ、壁から手が出現したり血だらけの女性の姿が見えたりと、現実とも思えない悪夢に悩まされていた。

そんなとき、ドラマのオーディションを受けてみないかとの話に乗り、連れて行かれた洋館でエマはホステス仲間の神埼美沙子の死体をバスタブで見つける。

錯乱し現実と悪夢の区別のつかないエマは、クラブの常連客の井出圭一と井出の友人・三津木俊助、そして由利麟太郎に助けを求める。

しかし一行が洋館をふたたび訪れると、死体はどこにもなくなっていた。

そして次の日、あの洋館で神埼美沙子の死体が発見される。

悪夢のイメージ

よかったポイント

ゲスト俳優さんは

  • 吉岡エマ( 祇園のクラブ「マダムシルク」のホステス ) – 水上京香
  • 五月翔太( 青年実業家・エマの恋人 ) – 赤楚衛二

全五話中で、いちばんホラー色の強い回でした。

はじめは、いつもビクビクしているエマに「 社会生活送れないだろ 」とツッコミ入れていましたが。

たしかにあんな変な幻覚めいたものや、黒いラテックスの全身ボンテージの男に追いかけられたら精神病むな…と納得します。

そして、吉岡エマ役の水上京香さんのおびえた演技が素晴らしくうまい!

叫ぶのも、ほんとうに恐怖を感じているような絶叫です。

犯人は比較的すぐに分かりますが、犯行動機がなかなかの自己中。

ラスト近くの由利先生のセリフ

「 いつから君はこの悪夢を見続けている 」

が、めちゃくちゃカッコイイです!

第三話「 殺しのピンヒール 」

(あらすじ)

三津木俊助はミステリー小説の題材にと編集者の山岸に仮装パーティに誘われる。

2階のVIPブースでは、名越優美、川瀬文乃、白川珠喜のレッグモデル3人はランウェイでピンヒールを宣伝するために出番を待っていた。

すると、謎のピエロが持ってきた香水を浴びた白川珠喜が死亡してしまう。

その時、白川珠喜から落ちたピンヒールが三津木俊助のもとに降ってくる。

落ちてきたピンヒールを渡そうとした三津木俊助は、死亡した珠喜を偶然発見したことから殺人容疑で逮捕されてしまう。

ピエロとピンヒールのイメージ

よかったポイント

ゲスト俳優さんは

  • 名越優美( レッグモデル ) – 村川絵梨
  • 名越恭介( 優美の夫・料理研究家志望 ) – 浅利陽介

踊る不気味なピエロの登場です。

来ました、古典ミステリの定番犯人といっても過言でもない「 殺人ピエロ 」です。

今回は、三津木俊助が容疑者として捕らえられてしまい、由利先生と等々力警部で捜査することになります。

ここで、由利先生と三津木くんのはじめての出会いの話がでてきます。

いつもは、三津木くんを置きざりにしたりとそっけない由利先生ですが。

ふと出た由利先生の「 彼がとなりにいないのは妙な感じだ 」のセリフに、きゅんとしちゃいました。

等々力警部も三津木くんを認めていたっていうのが分かり、なんだか嬉しくなっちゃう回です。

第四話・五話「 マーダー・バタフライ 」

(あらすじ)

オペラ界のスターでソプラノ歌手の原さくらは東京公演を終えて、オーケストラの楽団員らと次の舞台・大阪に向かった。

しかし昨夜さくらは、ホテルにチェックインしてから夜に外出して以来、行方がわからなくなっていた。

「 いつもの気まぐれだ 」と言いつつ、みんながさくらを探す中。

楽屋前にあったコントラバスのケースの中から、椿姫の衣装を着たさくらが薔薇の花弁に埋もれた死体で発見される。

薔薇の画像

よかったポイント

ゲスト俳優さんは

  • 原さくら( ソプラノ歌手・オペラ界のスター ) – 高岡早紀
  • 原聡一郎( さくらの夫 ) – 大鶴義丹
  • 土屋恭蔵( さくらのマネージャー・咽頭がんで引退した元オペラ歌手 ) – 鈴木一真
  • 相良千恵子( 若手歌手・さくらの弟子 ) – 吉谷彩子
  • 小野竜彦( テノール歌手 ) – 佐野岳
  • 浅原警部( 大阪府警の警部 ) – 板尾創路

最終話ということで、豪華なゲスト俳優さんたちです。

相楽千恵子役を「 ビズリーチ 」CMでおなじみの吉谷彩子さんが演じていました。

個人的に「 探偵・由利麟太郎 」のスタイリッシュな流れの中に、ねちこい大げさな演技で段差のようなひっかかりをもたらしてくれた大鶴義丹さんがよかったです。( 褒めてます )

原さくらは、はじまってほどなく亡くなっているので。

過去の出来事としてその人となりが出てきますが、高岡早紀さんの無邪気なお姫様のような演技が自然でした。

また、同時期に戦隊モノをやっていた志尊淳さんと、ライダーやってた佐野岳さんの共演にニヤッとしてしまったのは別の話です。

( それを言うなら、赤楚衛二さんもライダーだし。吉川晃司さんもスカルなんですが )

配信プラットフォーム

  • FODプレミアム(フジテレビオンデマンド)
  • U-NEXT(有料見放題)

残念なことにあまり配信先は多くありません。

Amazonプライムビデオでは、レンタルか「カンテレドーガ」のチャンネル有料登録すれば見られます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

結局、ガラスにヒビが入った懐中時計や奥様のことなど、由利先生の過去を散々匂わせておいて、全然解明されていないのがもったいないです。

ぜひ続編をお願いしたい!

吉川晃司さんの歌う主題歌も、哀愁があって素敵な曲でドラマにいっそうの情緒を感じさせます。

知らなかったという方も、一回見たなという方も、再度視聴してその魅力を確認していただきたいです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

まめでした。

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