今回は、海外ミステリドラマ「 シェトランド〜離島の殺人捜査官 」Season2を視聴完走したので、感想レビューをしていきたいと思います。
海外ミステリドラマ「 シェトランド〜離島の殺人捜査官 」では、美しい自然を背景に、島の住民がみんな近しい関係というクローズドな中で事件が起こります。
穏やかな人柄で、関係者たちの話に真摯に耳を傾けて捜査をするペレス警部。
今作では10代の義理の娘キャシーとの思春期ならではの関係や、ペレス警部のこれからの自分の人生などのプライベートでの葛藤も描かれています。
season1からの、ペレス警部のひとの気持ちに寄り添う捜査は変わりませんが。
season2では「 科学捜査 」が入ってきたりと少し変化が感じられました。
ひとが「 何を 」大切に思い、それをなくしたくないと誤った行動にでてしまうのか。
時には、情報や状況に振り回されながら(今作ではわりとみんなを疑いまくりますが。笑)
丁寧に捜査をするペレス警部の姿は、やはり好感がもてます。
犯人などのネタバレはナシで、みどころなどをレビューしていきます。
よかったら、みていってください。
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シェトランド・season2
「 シェトランド〜離島の殺人捜査官 」Season2は、全6話( 各58分 )あります。
・2014年・イギリス制作。
ただし、ひとつの事件で全6話ではなく。
前編・後編で1つの事件を描き、3つの事件で「 Season2 」という構成になります。
- 「 大鴉の啼く冬 」前・後編( 第1話・第2話 )
- 「 澱んだ水 」前・後編( 第3話・第四4話 )
- 「 青雷の光る秋 」前・後編( 第5話・第6話 )
今回は「 感想レビューSeason2−② 」として「 澱んだ水 」をレビューしていきます。
「 澱んだ水 」前・後編( 第3話・第四4話 )は、島の環境問題が関係してくる社会派なドラマ構成となっています。
※「 感想レビューSeason2−① 」としての記事はコチラからどうぞ。→「 大鴉の啼く冬 」
シェトランド諸島
( 出典:Googleマップ )
シェトランド諸島(Shetland Islands)は、イギリス・スコットランドの北東に位置する群島で、北緯60度付近に広がります。
• シェトランド諸島は約100の島々から構成され、そのうち有人島は16島のみです。
・最大の島は「メインランド島」で、面積は967平方キロメートルです。
( 出典:perplexity )
第3話・4話「 澱んだ水 」
( あらすじ )
ジミー・ペレス警部の旧友である、記者ジェリー・マーカムが自動車ごと崖から落ちて死亡した。
検事は事故ではないかと早々に捜査を終わらせようとするが、ペレス警部は殺人だと確信する。
その後、現場に残っていた携帯に、ガス会社のパイプライン新設に反対する環境保護団体の映像が記録されていることが分かる。
マーカムは特ダネを追っているとのことだったが、それはガス会社にとって知られたくない情報だったのだろうか?
それとも環境保護団体にとっての、不都合な真実だったのか?
サンディ巡査が、ガス会社が欲しがっている土地の持ち主である初老の男性ダルホージーを訪ねると。
「 出ていけ( GET OUT ) 」という、嫌がらせの落書きをされた家屋を目の当たりにする。
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登場人物
- ジェリー・マーカム( 被害者であり、ペレス警部の旧友。ジャーナリスト )
- イーヴィー・ワット( 島の自然保護団体「入江を守る会」のメンバー。結婚をひかえている )
- ジョン( イーヴィの婚約者、前妻を亡くしている。石油会社のフェア・ヘッド社で港の監視をしている )
- キャメロン・ワット( イーヴィーの父親。「 入り江を守る会 」の 主要メンバー。船を手造りしている )
- アンディ・ベルショー( ガスの新設パイプライン推進派。フェア・ヘッド社の広報 )
- イアン・レッドフォード( ガス会社、ストーン・ガス社の開発役員 )
- ジョー・ダルホージー( ガス会社が欲しがっている土地の所有者。漁業を営んでいるが経営不振 )
- リーヴス( 島にやってきた科捜研の捜査官。ハッキリ物を言うタイプ。犬アレルギー )
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今作は、登場人物と所属会社を把握するのにちょっと苦戦しました。
もちろん、おおよその相関関係のカタチはわかるので、作品の視聴には支障はありません。
ですが、自己紹介や島の会社の利害関係の説明を、ペレス警部たちはきちんとはしてくれないんですよ。
知っている前提での世間話のようなセリフで、島の情報を小出しにされるので、すこし分かりにくかったりします。
特に「 アンディ・ベルショー 」さんには手こずりました!
初登場はスーツだったのに、その後はずっと普段着のようなブルゾン姿だったので、同一人物と気づくのにかなり時間がかかりました。汗
舞台は島での結婚式
Season1では「火祭り」
Season2の第1話・第2話では「 夏至(白夜) 」が舞台でした。
今回の舞台は、「 島での結婚式 」です。
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この作品は、シェトランド諸島のさまざまな風習が見られるのも、みどころの1つですよね。
スケルウィック( SKELL WICK )という地名の看板に、花嫁と花婿のカカシを作って飾るところから話は始まります。
バスに乗り、大勢の女性たちと、結婚の準備をして回る花嫁のイーヴィー。
ペレス警部が、ロンドンから久しぶりに島に戻ってきたマーカムと街のパブで近況報告に花をさかせてると。
「1ポンドで花嫁にキスができるよ〜!」とイーヴィーと友達のジェニーが回ってきます。結婚資金のカンパなのでしょうか。
マーカムを見た花嫁イーヴィーは、なぜか気まずそうに目をそらします。マーカムも、居心地がわるそうにしています。
ふたりは知り合い?
美しい島の自然
今作は、社会派的な要素が加わってきます。
「 島の自然を守ること 」VS 「 島の経済的な発展 」です。
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ジャーナリストのマーカムが被害者ということで、何かの特ダネを掴み。そのために、口を封じられてしまったのではないか?と、ペレス警部は疑問を持ちます。
そして調べていくうちに、島の水辺を守ろうとするキャメロン・ワットとイーヴィー親子がメンバーである環境保護団体の「 入り江を守る会 」と、ガス会社のストーン・ガス社の対立構造が浮き彫りになります。
しかし、島の人たちみんなが、ガス会社の新しいパイプライン計画に反対!というわけでもありませんでした。
アンディ・ベルショーのように、「 島の経済的発展 」と「 島の将来 」のためには、少しくらいの自然破壊は許容範囲だと考える島民もいます。
ここらへんは難しいところですよね。
ですが、ガス会社が欲しがっている土地の所有者であるダルホージーの養魚場では魚たちがつぎつぎと死んでいました。
育てている魚が死んでいくのを見ながら、ダルホージーはペレス警部に言います。
「 水が汚れている 」
ダルホージーに土地を売らせるために、誰かが海の水を汚しているのか?
マーカムの事件との関連はあるのか?
謎が膨らんでいきます。
唐突に出てきた科学捜査官
マーカムの自動車は、事故によって転落したのか?それとも故意に追突されて転落したのか?
それを調べるために、検事が呼び寄せた科学捜査官が島に小型飛行機でやってきます。
前回までの捜査ではあまり重要視されてなかった、「 科学的な根拠 」です。
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島にやってきた科学捜査官のリーヴスが、マーカムの車の遺留物や衝突の状態を調べます。
しかし、やっぱりこのドラマ「 シェトランド〜離島の捜査官 」では、科学捜査の結果はスパイスのような役割となるのです。
遺留物などの科学捜査の結果は、捜査の方向を決めるのに役立つのですが。
その証拠が、決定的なものとして犯人を知らせるようになるのは本当の最後の場面です。
「 証拠 」も大事ですが、動機や関係者たちの気持ちの動きで捜査するのがペレス警部なのです。
そして、このリーヴスさんが、ペレス警部が熱くなりすぎた時に「 冷静になりなさい 」と諭してくれる存在になります。
このリーヴスさん、魅力的な存在に感じました。
気になったキャラクター
今作で気になったキャラクターは、「 イーヴィー・ワット 」です。
とても可愛い女性なのですが、結婚をひかえているというのに、なぜかいつも暗い顔をしています。
じつはマーカムと昔、関係のあった女性です。
島の自然保護団体「 入り江を守る会 」に親子で参加しており、積極的に活動しています。
「 結婚をひかえた花嫁 」ということで、イーヴィーはしあわせの真っ只中にいるはずなのですが。
過去を語る姿や、パイプライン新設の説明会での発言も、とても苦しそうなのです。
なにか、抑圧されたものを抱えているイーヴィーは、マーカムの事件にどこまで関わっているのか…。
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けれども、ジョンと新しい生活を築いて明るい未来を歩いていく、結婚式でのイーヴィーのしあわせそうな笑顔はとても素敵でまぶしかったです。
ここを見てもらいたいですね。
配信プラットフォーム
海外ドラマ「 シェトランド〜離島の殺人捜査官 」Season2を見られる配信プラットフォームは、こちらになっています。
- Hulu
- AXNミステリー( テレビチャンネル )
- U-NEXT( Season1〜6 )【 2025年2月現在 】
- Amazon Primeビデオ( Season1〜2までPrime見放題 )【 2025年2月現在 】
※ご視聴の際は、各サービスで最新の配信情報を確認してからご利用ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今作は、ペレス警部の旧友が亡くなった事件からはじまる物語でした。
構成的には社会派な面が大きかったですが、根底には人との交わりが重要な鍵を握っているというのが、やはり海外ドラマ「 シェトランド〜離島の捜査官 」なのではないでしょうか。
「 入り江でかぜが吹くと、さざ波の音が聞こえる 」
入り江の自然をたいせつにして一緒に生きてきた、ダルホージーさんの言葉が胸に染み入りました。
うつくしい風景はいつもと変わらないのに。
人間のこころや気持ちはすれちがい、わかり合えずにすれ違ってしまう。
今作も悲しい結末ですが、ぜひ視聴してみてほしいと思います。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
まめでした。
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シェトランド 離島の殺人捜査官
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