今回は、『 北欧ミステリーの沼 』にハマったきっかけの作品を紹介したいと思います。
「 北欧ミステリー 」は社会問題を題材に取り入れているものが多く、寒々しい空気感と陰鬱な雰囲気が感じられる作品たちです。
バイオレンスな、猟奇的な描写が特徴的で、緊張感のある展開がこれでもか!と続くので。
次はどうなる?先を読みたい!という、ページを捲らせる力、又は連続再生が止まらないという魅力がいっぱいのジャンルなのです!
楽しくハッピーになれる物語が読みたい!という方には、まったく向かないのですが。(・・・ )
暗く、深淵な世界を覗いてみたいという方にはピッタリなジャンルだと思います!
「 北欧ミステリ 」に興味はあるけど、あんまりバイオレンスで過激な作品はちょっと…という方や。
どんな作品があるのか知りたい方。
犯人などの重要なネタバレはなしで、紹介しています。
よかったら、みていってください。
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『 北欧ミステリー 』という沼
まず『 北欧ミステリー 』の定義としては、
『 スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランド 』の
5カ国を舞台にしたミステリー作品を指します。
警察小説の様相が多く、キャラクターもリアルに描かれているという特徴があります。
社会問題や警察小説って聞くと、普通のミステリーより読みづらいんじゃないの?と、思われるかもしれませんが。ところがどっこいです。

犯罪や謎解きのおもしろさに、キャラクターの内面の複雑さ( 主人公がいちばん難解な性格だったりします )が加わり、より重厚な物語になっていきます。
『 湿地 』
- アイスランドの作家、アーナルデュル・インドリダソン著作
- 小説『 湿地 』
- 翻訳:柳沢由美子
- 出版社:東京創元社

(引用:Amazon)
( あらすじ )
レイキャヴィクの湿地帯にあるアパートで、撲殺された男の死体が発見された。
割れたドアのガラス。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人にみえた。
しかし、机の裏に隠されていたメッセージが事件の様相を変えた。明らかになる30年前の事件と被害者の過去。
肺腑をえぐる真相。
ガラスの鍵賞2年連続受賞の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作です。
エーレンデュル捜査官シリーズの1作目。
こちら小説と映画がありますので、どちらからでも楽しめると思います。
両方見ましたけど、そんなに気になる差異はなかったです。
強いて言えば主人公エーレンデュル捜査官を、小説では線の細いインテリっぽいイメージで読んでいたのでゴツいなと思ったくらいですかね。
ジャンルは警察小説に当たります。

大筋の事件は、手がかりが残されているのでそれを辿っていくと、次の手がかりが見つかる手法ですが。なんせ人間関係が殺伐としてる!
まったく警察の捜査に協力しようとしない人たちが多いのにも驚かされますし、みんなが何かしら隠したい事があります。
そして、エーレンデュル捜査官と娘さんとの関係も描かれます。
「 家族との確執 」というのも、北欧ミステリーにはよく出てきます。
作品紹介に、『 臓腑を抉る真相 』とありますが。
「 湿地に家を建てるからだ 」の言葉が、全てを言い表しているように感じました。
臭いものに蓋をするように、上にいくら綺麗なものを作って飾っても、滲み出てくるものは抑えられないのではないでしょうか。
※ひとつ気をつけた方がいいことは、ごはん食べてる時にこの映画は見ない方がいいと思います。
そして余談ですが、羊の頭の肉をフツーに売ってるんですねアイスランド。
こちらもおすすめ『 緑衣の女 』
同じくアーナルデュル・インドリダソン著作の小説『 緑衣の女 』です。

(引用:Amazon)
- 「 緑衣の女 」
- 翻訳:柳沢由美子
- 出版:東京創元社
捜査官エーレンデュルのシリーズ第2作目。
じつは筆者が北欧ミステリーにハマったきっかけは、この「 緑衣の女 」を読んだからです。
こちらをはじめに読みました。
そして、これはもしやシリーズ物では?というのは読んでる途中で気づきました。( 遅 )

( あらすじ)
郊外の開発地で男の子が拾った人骨は、どう見ても最近埋められたものではなかった。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。
サマーハウス関係者のものか。それとも軍が関係しているのか。
付近の住人の証言に現れる、緑のコートの女。
封印されていた哀しい事件が、60年の長い時を経て捜査官エーレンデュルの手で明らかになる。
CWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞を受賞。世界中が戦慄し涙した。
究極の北欧ミステリ登場。
初めて読んだ『 北欧ミステリー 』というジャンル。舐めてました。
圧巻というか、カルチャーショックというか。
国によってこんなにも環境や「 生きていく 」という過程が違うのかと。
お前がのんびり生きてきたからじゃ、一緒にすんなと言われそうですが。
そういうのとも、また違う気がするのですよね、、、。
読んでいる間は、ただひたすらにココ( 日本 )ではない場所で生きて。
荒涼な吹きっ晒しの大地の真ん中で,、息がしづらく苦しくてもがいていたような感覚でした。
この作品はあまり情報を入れずに読んで欲しいという、希望が個人的にありますが。
テーマが家庭内暴力と虐待なので、そういう描写が苦手な方は避けたほうがいいと思います。
連続ドラマ『 刑事ヴァランダー 』
ケネス・ブラナー主演・制作総指揮「 刑事ヴァランダー 」
こちらはスウェーデンの作家ヘニング・マンケルの「 クルト・ヴァランダー 」シリーズを原作とした、イギリスBBC制作の刑事ドラマです。
ですので、スウェーデンの設定ですが英語でしゃべってます。
『 THE BRIDGE/ブリッジ 』など、デンマークやスウェーデンで制作されたドラマを見た後だと、気になる人はいるかもしれません。
平和な夏の始まりを少女の焼身自殺で迎えたヴァランダー警部。
そして追い打ちをかけるように、様々な事件発生の知らせが彼の元にやってくる。
元法務大臣の殺害、謎の心臓発作、そして同僚の死…。
ヴァランダーは事件を解決することができるのか?
( AmazonプライムVideoより引用 )
これ、第1話のあらすじです。
初っ端からすごい飛ばしてきますよね。
BBC製作だからか、北欧ミステリには珍しい菜の花畑の黄色が、鮮やかに目に飛び込んできます。

こちらは原作小説は未読なので、違う点などを挙げることができませんが。
ドラマから入ったからこそ、目が話せない展開にハマって第4シーズンまで完走できたのかもしれません。
全4シーズンあり。1シーズン1話 90分前後で全3話、結構なボリュームなんです。
( 1話づつ、一本の映画を見たような重厚さがあるから結構疲れます )
これでもか!と、次々やってくる困難や事件に「 ヴァランダーってば寝てないでしょ! 」と心配になりつつ。
同じように、自分も寝不足になりながら次を再生してしまう沼っぷりです。
いちばんの魅力は、ヴァランダーという家庭人としては本当にダメダメで、周りとうまく合わせられないような中年男が。
仕事でも被害者に肩入れしすぎて深く落ち込んだりもしちゃうような、弱く優しい面がありつつ。
事件の本質にはじわじわと迫っていき、曲げない信念で真実に辿り着いて行く・・・という。
これにハマってしまったんですよねぇ。
ヴァランダーのダメっぷりを確認してみてください。
配信プラットフォーム
あと「刑事ヴァランダー」副題の「 白夜の戦慄 」は、prime Video ではアイキャッチのように入っていたのですが。
U-NEXTには入っていませんでした。( 最初に放送したWOWOW用に作ったものだったのかな? )
ナレーターの方の力の入れようと、作品の内容とがかなりギャップがあって、逆におもしろかったのはまた別の話です。( これ是非聴いてほしい! )
( 配信プラットフォーム )
- AmazonプライムVideo:第1シーズン〜第4シーズンまで見放題
- U-NEXT:第1シーズン〜第4シーズンまで見放題
- Hulu:第1シーズン〜第4シーズンまで見放題
( 2024年11月現在 )
・視聴の際は、各配信サービスで最新の配信情報を確認してからご利用ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
『 北欧ミステリー 』の沼の入口として、筆者が足をつけてみたらどっぷりと沈み込んでしまった作品を紹介してみました。
人間の根底にある、見ないでいたら楽に生きていけるのに気になって覗いてしまう世界。
そんな怖いもの見たさが近いかもしれません。
気になった方はぜひ『 北欧ミステリー 』の沼に、足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
すこしでも参考になったら、うれしいです。
読んでくださってありがとうございました。
まめでした。
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